セックスレスと不妊症の関係

不妊症とセックスレスの間には何か関係があるのでしょうか。

かつて世界のコンドームメーカーが世界41カ国32万人を対象に行なった調査によると、日本人の1年のセックスの回数は世界最低という結果が出ています。

だいたい週に1回弱のペースですね。日本の少子化の原因=セックスレスといわれると、そうなのかなとも感じるのですが果たしてどうなのでしょうか。

セックスの回数が多ければ出生率が高いといえるかというと、例えばセックス回数の多いギリシャでは年に138回なのに対し出生率は1.27、45回の日本は1.32との結果が出ています。

一方、75回と3番目にセックス回数が少ないインドでは出生率1.8というデータがありますし、ついで少ないインドネシアでは77回で出生率は2.3とのことです。

セックスレスと不妊には特に関係があるということはいえないようです。

他の研究でも実証的かつ科学的に裏付けたものはありませんでした。セックスの回数が多いからといって、出生率が高いとまでは断定できないのです。

だから別のところに原因があると考えるべきでしょう。

不妊症治療とメンタルケア

不妊症治療では思い込みではなく、早めに医師に見せて、夫婦そろって相談しお互いに納得した上で治療に取り組むことが大切です。

しかしそれでも女性の側の負担は重く、精神的にも肉体的にもつらい思いをします。

身内や親戚からは子供はまだかとプレッシャーを掛けられます。

薬の副作用に耐えながら検査を繰り返してもなかなかすぐには好結果が出てきません。

妊娠できたとしても流産することもあり、そのたびに気持ちが折れそうになります。

ホルモンを刺激する薬はむくみが出たり、ほてりが出たり、眠気が強くなったりする副作用が人によっては強く出てきます。

このようなつらさからストレスを溜め込むと、治療の効果がますます期待できなくなります。

不妊症治療に必要なメンタルケアで一番大事なのは夫の理解と協力です。

夫が一緒に考えて悩んで協力してくれる姿を見せるだけで女性は安心するものです。

家事を手伝ったり、体をさすってあげたり、男性に出来ることはたくさんあります。

不妊症に関する実態を表すデータ

不妊症に関する実態を示すデータがあります。

まず、日本において妊娠を望んでいて性生活が2年以上あるのに子供が出来ないことを不妊症といいます。

この間NHKの番組を見ていたところ、不妊症の検査や治療を受けたことのある夫婦は6人に1組いるそうです。

日本では不妊症治療専門クリニックの数が世界一多く、体外受精の実施数も世界一だそうです。

女性の社会進出が進み晩婚化が当たり前の日本では30代、40代になってから初めて子供を産むケースも珍しくなくなりました。

しかし年齢とともに卵子が老化し、35歳の女性が出産できる確率は体が健康であっても20代の半分にまで落ち込んでしまうそうです。

不妊症の原因は女性、男性それぞれに同じ割合で存在しており、両方に原因があるケースも同程度あるそうです。

このような事実を知らないまま年を重ねて、いざ子供を望むときになって医師に説明を受けて初めて後悔することになるのです。

不妊症の治療にかかる重い負担

不妊症の治療は女性の体に相当の負担をかけるものです。

それに健康保険対象の治療は一部にすぎず、ほとんどは保険対象外です。

一部費用を助成する地方自治体もあるようですが、それでも治療が長期にわたってくると、膨大な治療費がのしかかってきます。

健康保険対象の治療はたとえばタイミング療法や、卵胞を刺激するホルモン注射などに限られますが、これで結果が思わしくない夫婦が多いのが実情です。

次に試みられるのが、人工授精、体外受精、顕微鏡受精などです。

人工授精は1回あたり1~3万円程度、体外受精は30~50万円程度の費用がかかります。

これだけ費用をかけてどのくらい成功するかというと、人工授精の成功率は5~15%、体外受精は20~40%とされていますが、不妊症治療の成功率は年齢を重ねるごとに成功率が下がっていきますし、流産のリスクも高くなっていきます。

不妊症 女性原因の場合の治療法

女性不妊かどうか、その原因はどこかについては、様々な検査を行なって特定します。

それでも分からない、原因不明ということも少なくないのですが、およそ以下のような検査を行なって原因を特定するようです。

まず夫婦生活について問診が行なわれ、セックスレスや、性行為のタイミングが適正かどうかを判断します。

それから、血液検査でホルモンの量や状態を測定し、排卵に障害がないかどうかを調べます。

さらに、卵管が詰まっていないかどうかを調べます。また、子宮内膜に異常がないかどうかを調べるため、エコー検査を行なったり、子宮頸部を調べてガンの可能性がないかどうかも調べます。

このほか抗精子抗体が出ていないかどうか、クラミジアの可能性がないかどうかなども検査します。

このような検査によって原因が特定されると、卵胞を育て排卵を促すホルモンを刺激する薬剤の定期的な注射や、タイミング療法などが行なわれます。

それでも困難な場合は、人工授精や体外受精などの高度な治療が行なわれます。

不妊症 男性原因の場合の治療法

男性不妊の原因としては、精子の問題(無精子症、乏精子症)、精巣の問題(精索静脈瘤)、セックスの問題(EDや射精障害)などが考えられます。

原因を特定する方法としては、精液検査と超音波検査を行ないます。まず精液検査は、通常3~5日間セックスやマスターベーションを我慢してから行います。

体調不良などによる不具合を考慮し、これを2~3回行って総合的に判断します。

検査用の精子は、マスターベーションにより専用の容器に精液を入れて検査に出します。

自宅で採取し1時間以内に身体の近いところで温めながらクリニックに持って行きます。

クリニックの専用ルームで採取することも可能です。

男性不妊治療は、ストレスと健康状態が成績を左右するといわれています。

ストレスをためないこと、規則正しい生活を送ることなど、男性側の努力も必要です。

医学の進歩により、精子に問題があったとしても、精巣から直接精子を採取したり、精管のつまりを除いたりという方法で妊娠の可能性が出てきています。

早めの原因特定と治療開始が重要であり、男性側も積極的に検査を受けるようにすべきでしょう。

不妊症の10の原因

不妊症の原因は男女共に同じ率で発生しており、両方の原因が重なっている場合もあるとされています。

不妊症の原因の分類の仕方は医師によっても色々あるようですが、医学的には主に10の原因があるとされています。

1.排卵障害。これはホルモンの異常により、卵子を排卵しない状態です。

2.キャッチアップ障害。これは卵子を卵管に取り込む卵管采(らんかんさい)が機能しない状態です。

3.卵管因子。これは卵管が何かの原因で詰まっており、卵子が通れない状態です。

4.着床・内膜因子。これは子宮内膜の異常(子宮内膜症など)や内膜を維持するためのホルモン(黄体ホルモン)を分泌する黄体の機能に異常がある状態です。

5.子宮頸管因子。精子の通り道である子宮頚管の機能に異常があり、精子が通れない環境になっている状態です。

6.子宮因子。これは子宮の形に奇形がある状態です。

7.セックスレス。これはそもそも妊娠に必要な性交渉がない状態です。

8.免疫因子。これは精子を異物と認識して免疫で攻撃しているため受精できない状態です。

9.男性因子。これは精子が少ないか、あるいは確認できない、または確認できても元気がない状態です。

10.原因不明。これは以上の9項目に当てはまらない状態です。

不妊症の原因は男女双方にある

これらの原因を挙げてみると、不妊症の原因は女性の側だけでなく、男女どちらにもあることが分かります。

実際に何が不妊症の原因なのかを特定するために、医師は様々な検査を行ないます。

ただ、最初からすべての検査をフルセットで行なってしまうと患者への経済的・精神的負担が重くなるため、まずはタイミング療法など簡単な治療法からはじめてみて、それでも駄目な場合に以上のような検査を行なっていくそうです。

性行為のタイミングを工夫することで解決するケースも少なくないからです。

不妊症の定義

不妊症とは、「健康な男女が妊娠を望んで仲良く性行為を行なっているのに、2年以上たっても赤ちゃんができない症状」を指すものであり、医学的にはれっきとした病気です。

少子化社会の理由の一つとされており、日本を含む先進国共通の社会問題となっています。

医学的な知見によれば、正常な男女が、妊娠しやすい周期(女性の排卵周期)に合わせて性行為を行なった場合、子供ができる確率は高くても25%程度と言われています。

これを2年続けても子供ができない場合は、不妊症が疑われることになります。

不妊症の原因が男性の側にある割合は、実は女性の側に原因がある場合と同程度であり、両方に原因があるケースも同程度あるようです。

したがって正確な原因を特定するためには、男女どちらも検査を受けることが不可欠です。

不妊症の検査

不妊症かなと疑いを持ったら専門の医療機関を受診します。

不妊症の検査では、どこに不妊の原因があるのかを突き止めることが中心です。

この検査は一度きりで終わるものではありません。

女性が受ける検査は、女性の体の周期(性周期)に合わせてそれぞれの時期に応じた検査も必要になるため結果が出るまでは時間がかかります。

このほか、広く行なわれている不妊症検査のひとつに、ヒューナーテスト(精子と子宮の相性を調べる検査)があります。

女性の腟内は、子宮を細菌の侵入から守るため弱酸性に保たれているのですが、排卵が近づくと、弱アルカリ性の粘液の分泌が増加し、子宮頸管を経由して精子が子宮へ進入しやすい環境になります。

そこで検査当日の朝か前の日に性行為を行なってもらったうえで婦人科を受診し、子宮の頚管粘液や膣分泌物の中に精子が元気に動いているかどうかを顕微鏡で調べます。

この検査によって、男性側の原因としては、精子の数が少ない、運動率が低いといったことが考えられます。

女性側では、頚管粘液の状態が悪かったり、女性の体内に精子を受け付けない抗体ができている可能性もあります。